「月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド」(Golf Economic World)3月号に掲載されました。
ゴルフ産業を社会に広めるネットワーク・マガジン『GEW』にてGRAIN CLOUDが掲載されました。
1.完全クラウド型ゴルフ場基幹システム『グレイン クラウド』が費用削減、業務効率化、物理的なリスク回避を実現
稚内カントリークラブで『グレイン クラウド』導入
北海道稚内市。日本最北端のリンクスとしてプレーできるのが稚内カントリークラブ(以下、稚内CC)だ。その稚内CCで完全クラウド型のゴルフ場基幹システム『グレイン クラウド』が昨年導入された。
稚内CCはこれまで、運営システムの近代化が遅れており、2023年に運営会社となった明海グループ本社では、リアルタイムでの営業状況がつかみにくいという課題があった。
「時代に取り残された運営を行っていました。いまでこそ、クレジット決済はできますが、紙と電卓しか使っていないような運営で、20年も30年もそのままだったようです」
そう語るのは明海グループ・ホテル関連事業グループの長谷川礼人氏。同社は、海運業がメインだが、ホテルや稚内CCとは別にゴルフ場も運営している。本社機能は東京にあるため予約状況の把握やレベニューマネージメントもできなかった。
そこで、コスト削減、業務の効率化、サーバーの物理的なリスク回避に動いた長谷川氏の判断で、一気に完全クラウド型のゴルフ場基幹システム『グレイン クラウド』を導入することになったのだ。
「唯一、完全クラウド型の基幹システムが『グレイン クラウド』でした」
どこからでもアクセスできPCやタブレットで操作可能
『グレイン クラウド』導入によるメリットは多岐にわたる。一つ目は完全クラウド型だということだろう。ゴルフ場は近年課題となっている人手不足もあり、様々な業務を少人数で遂行するサービス業。さらに、作業場所は固定されていないから、常にパソコン(PC)の前にいるとは限らない。
そこで生きてくるのが、完全クラウド型である『グレイン クラウド』。PCやタブレットで操作できるWEBブラウザを活用した基幹システム。予約・フロント業務、マスタ室・レストラン業務、コンペ集計、来場者・会員管理、WEB予約など、クラブハウスで行われる業務を一つのシステムで担う優れものだ。
データを保存するサーバーはクラウド上にあるため、どこからでもアクセスできる。明海グループ本社に加え、沖縄にある商品企画部門やコールセンターとの連携も容易になった。
操作習得にタコゲーム?短期間のトレーニングで運用可能に
とはいえ、これまで紙がメインだった稚内CCのスタッフにPCの操作は、すぐに覚えられるものではない。
「導入初日にはPCから目を背けるスタッフもいました」(長谷川氏)
その点、『グレイン クラウド』は画面が直感的で、簡単な操作で運用ができる点が大きなユーザーメリットとなる。もちろん、稚内CCにはPCに初めて触れるスタッフも居たため、
「『タコゲーム』でマウスを使う練習から始めました」(グレイン・末冨典男社長)
「弊社への操作などの問い合わせは、通常1か月ほど続きますが、その後はあまりありません。つまり、1か月でおおよその操作に慣れるということでしょう」―。
PCへ目を背けたスタッフも笑顔になり、業務の効率化も進んでいる。
システム運用の経費削減 物理的サーバーのリスク回避
そして『グレイン クラウド』の最大の特徴は、システム運用のコスト削減と物理的サーバーのリスク回避だろう。
完全クラウド型の『グレイン クラウド』は、クラウド上にアプリケーションがアップロードされている。そこにアクセスして運用、そしてアプリケーションは最新版にバージョンアップされ、常に不具合を回避する。これまでの基幹システムはソフトが新しくなれば都度改修費用が掛かっていたから、『グレイン クラウド』はそれだけでもコスト低減になる。物理サーバーではないから、数年に一度のサーバー入れ替え費用も掛からない。
さらに、日々の予約状況や売上、会員データなどは、強固なセキュリティ対策を施したデータセンターに保存される。ウイルスやハッカーによる顧客データ流出リスク、雷サージや火災によるデータ消失リスクなどを大幅に低減することができる。また、部署や担当ごとにスタッフのアクセス権限を設定することが可能で、不必要な情報に接することもなくなる。
「これからの企業に求められる、攻めと守りのいいとこ取りが実現できました」(長谷川氏)
ホームルーターで通信可能 ネット環境の質を問わず運用可能
ゴルフ場の課題の一つとしてネット環境がある。光回線はおろか、コース内で高速通信ができる場所は少ないのが現状だ。稚内CCでは、その問題をホームルーターを導入することで解決した。
「『グレイン クラウド』はホームルーターの通信速度で、クラブハウスのどこからでもタブレットひとつでシステムにアクセスできます。それは業務効率化につながりますし、いざというときはゴルフ場のスタッフでもリモートワークができるんです」
多くのゴルフ場基幹システムが存在する中、ワンストップで唯一の完全クラウド型ゴルフ場基幹システム『グレイン クラウド』。ゴルフ場の経営状況の改善、効率化、コスト削減と、長谷川氏のお眼鏡通りの導入メリットが得られたようだ
2.近代化する稚内カントリークラブ 利尻富士を望む雄大な景観と日本最北端リンクスの魅力
基幹システムだけではない 稚内カントリークラブの近代化
北海道稚内市。日本最北端のリンクスとしてプレーできるのが稚内カントリークラブ(以下、稚内CC)だ。「日本のセントアンドリュース」といわれるほどの景観と戦略性を持つゴルフコースは、地元はもちろん、道内外のゴルファーを魅了している。
その稚内CCに導入された完全クラウド型ゴルフ場基幹システム『グレイン クラウド』。しかし、近代化はそれだけではない。カートの充実、カートナビの導入を図っている。
「2人乗りカートは2023年春時点で10台でしたが、現在は23台。少しずつ近代化していっています」
稚内CCの利用者の多くは、地元のゴルファー。中には、
「キャディ付きじゃないとプレーしない常連の地元ゴルファーもいるのですが、北海道内外からのゴルファーにプレーを楽しんでもらうには、カートは必要な時代だと思います」(長谷川氏)
さらに、「日本のセントアンドリュース」いわれるほどのリンクス。
「初めてプレーする方は、どこに打って良いか分からない(笑)。なので、カートナビも必要になってくると思います」
近代化が進めば、来場者の利便性も向上する。近代化の必要性は、基幹システムの問題だけではないのだ。
利尻富士を望む大絶景と空港から3分の好立地
日本最北端というからには、いわゆる「秘境」のようなアクセスの悪さを想像する向きもあるかもしれないが、隣接する稚内空港から車で3分という魅力的な立地だ。
「朝一番の羽田発で出発してもらえれば、わずか1時間55分のフライトです。それから午後にプレーして1泊。翌日は朝からプレーして、その日のうちに東京に戻ることも可能なんです」
そして何といっても、晴れた日には遠くサハリンや、名峰利尻富士を望む大絶景だろう。そうでなくても、
「晴天は珍しく、普段はどんより曇り空が多いですが、そこは本場英国の天候そのもので、それが『本場のリンクス』の雰囲気なんです」
長谷川氏は語気を強める。そこには地元愛あふれる理由があった。
人口減が顕著な北海道で稚内CCは重要な観光資源
実は長谷川氏は、稚内の出身。日本最北端に位置する稚内市は、国内の地方都市と同じように人口減に悩まされている。この5年で稚内市の人口は3万3000人レベルから1割減。冬が長く、厳しい環境だから観光シーズンも短い。
その意味で、稚内CCは道外からのゴルファーで観光客の受け入れ先として大きな役割を果たしている。
「稚内まで来て、ガッカリしてほしくない」
長谷川氏は地元を愛し、ゆえに、多くの人に稚内の良さを知ってほしいと力説する。
より一層コースの魅力が向上 ゴルファーの満足度が高まった
北海道といえば、ゴルファーにとってあこがれのトーナメントコース、名門コースが点在する。しかし、最北端の街・稚内市にはゴルフ場はわずか2カ所。市内に現在営業しているゴルフ練習場はない。だから、
「地元ゴルファーの憩いの場として、存在意義は大きいのです」
とはいえ、限られた地元客だけに頼っていては存続は難しい。
『グレイン クラウド』の導入で、チェックインもスムーズになった。カートも導入され、カートナビで初めてプレーするゴルファーにも親切なゴルフ場になっている。道外からのゴルファーをも満足させる設備は十二分に整いつつある状況だ。
そして何よりも、広大な丘陵地帯の起伏をそのままに活かしたアンジュレーション、目印になる立木もなく何処までも広く開けたロケーション。そして、日本海やオホーツク海から時に猛烈に吹き付ける風。唯一無二。他では決して味わうことの出来ないゴルフコースが稚内CC。ゴルファーなら、一生に一度はプレーしたいものだ。
お問い合わせ:株式会社グレイン support@grain-net.jp
取材協力:稚内カントリークラブ、明海グループ
明海グループ
ホテル関連事業グループ チーム長
長谷川 礼人氏